これから菫も咲くでしょう

宝塚と、もろもろと

パーシャルタイムトラベルを観ました

私この話めちゃくちゃ好きなんですけど…!!

ということを書きなぐりたくてですね。ネタバレ満載で感想を。初見の記憶で書いているので間違っているところがあったらすみません。また見る機会があるので、その時修正するやもです。

 

とにかく、私はこのお話大好きですよ…!正塚先生!!

 

桜木さん演ずるジャンは、やりたいことや目指すところがあるけれども、いつもどうもうまくいかない、いつも分岐点で、何か間違えてしまっているような、そういう自分への苛立ちと言うか、もどかしさを抱えている青年で、でもきっと根はまっすぐなんだろうなぁって思える人物像でした。憎めないというか、「頑張れ頑張れ!!」ってつい応援したくなっちゃう若者で。ずんちゃんぴったりだなぁと。

ジャンが一幕で中世に、というか運命の恋に思いを馳せるのって、「今」からの逃避な部分も大きかったと思うのです。もちろん、シャーロットは可愛いし、だってららちゃんだもん可愛いに決まってるよ!でも、「救世主」に祭り上げられた自分への未練もあったんじゃないかなと。今は何にもなれない、何をしてもうまくいかない自分が、あの時代なら上手くいくんじゃないかって。

そういう、幻の恋が、ちゃんとした恋でもあったのが、ずんちゃんの「今更だよな」って声に現れてる感じがしてそこが好きだったのです。

シャーロットが別の人と婚約しているとこに出くわしたとき、芽生えかけた恋をそうやって手放すの、やっぱり、好きだったからだと思うのです。

まどかちゃん演ずるテスは、多分ジャンが消えてしまったときから「どうしよう」って思っていたのかしらと。だってあの方はシャーロット様を想われていたのにと。それでもピエールやシャーロットのことを思えば婚約を止めることもできないしって。それこそ辛かったと思うのですよ。そうしてジャンが現れて、「今更だ」という言葉でシャーロットの幸せを願ったときに、ジャンに恋をしたんじゃないかなぁって思ったんですよね。

私は二幕になってジャンが「あの時は浮かれてたんだよ」って冷静にタイムスリップを振り返るのが地味にツボでして。確かに中世にいるときのジャンってテンション高めなんですよね。非日常のテンション。(「今のは狼!」とか典型なんじゃないかしら)

でもまた日常に戻ったときに。何も特別なことなど起こらないときに。

あの人のことを考える。あの子と会いたいと、願う。

そうやってジャンは恋に落ちたのかなぁって思ったのですよね。私そういうのすごい好きなんですよーーーーーー!!!

二幕でジャンとテス、そしてシャーロットとピエールで続いていく歌で泣いてしまった。「今は忘れがたく 心離れがたく」どうしてかわからないけどって、そんなの恋じゃん!?マジで!!!

でも、現代のテスがジャンに向かって「その子のこと、ちゃんと好きになってね」って言うとこ、あれってちょっと皮肉だなぁって思ったのです。非日常に浮かれてない?大丈夫?って確認されているのかなって。

そういうジャンが、中世に「戻って」、こちらを日常にするよって示してくれた時、正直泣いたし、ときめきで心臓止まるかと思いましたよね…。

いやもう本当に、すごく好きなお話でした。

もちろんツッコミどころはたくさんあるし、ご都合主義なのも否めないけども。終わってから、スキップして帰りたくなるような、私にとってはそういう、笑いだしたくなる、胸に抱いてあったかくなるお話だったのです。観れて本当によかった!

 

以下、箇条書きで好きなとこ。

・ずんちゃん格好いい!!!なんかもうああいうのズルすぎるやめてありがとうございます…!ジャンが「ありがとう」とか律儀に言うとこがとても好きです。なんかもう、好きになっちゃうじゃん!!そんなの!!(顔を覆う)

・瑠風くん(もえこちゃん)の声がやっぱり私とても好きです。堅物ピエールが、だからこその笑いを取っていてさすがでした。シャーロットにぐさぐさ言葉で刺されているとこ可愛かったー。

・ららちゃんとまどかちゃんの主従関係がとっても素敵だった!テス、実はシャーロットにあんま遠慮してないよね(笑)だから本当に、「友達」なんだなぁってあったかかった。

・ららちゃんのコメディセンスよ…!!言葉一つ一つがおもしろすぎるよ!!「ジャン」だけで笑わせてくるの最高でした。可愛かったー。

・瀬音リサちゃんの低い声が大好物な私には最高のご褒美公演でしたありがとうございます…!

・アパルトマンの皆さん面白すぎた。そしてあったかいんだなー。大家さんの人柄かな(笑)ロンドンに行くジャンにカンパを渡すとこが好きです。「絶対買ってこないでね」は積極的に使いたい台詞No1

・無理無理の歌が大好きすぎてね。てか、コーラスがすごい!

・ラストのキスシーン、シチュエーションにときめきすぎたし、「やっとできてよかったなあああああ!!」って感慨深さも相まって、泣きました私。

・フィナーレのすっしーさんの格好良さは凶器。

 

とりあえず、こんなとこかな。また観るのが楽しみです!!